おがた蒲鉾について
理想の環境を求めて創業以来、日本有数の漁港のある八幡浜で蒲鉾づくりを続けてきたおがたが、現在の西予市宇和町に本社および工場を移したのは、1990年のことです。
その理由は、衛生的な工場を実現するための、澄んだきれいな空気と日本の名水百選にも選ばれた清くおいしい水が得られる理想の環境があったからです。
おがたのこだわり
漁を行う トロール船
西日本有数のトロール漁業の基地、八幡浜。
四国愛媛県と九州大分に挟まれた海域を「豊後水道」といい、その愛媛県側を「宇和海」と呼びます。
豊後水道は太平洋から黒潮の分流が流れ込む海域で、全国でも有数の好漁場として知られています。
四国最大の港、八幡浜港にはトロール漁で漁獲された豊富な宇和海の幸が毎朝水揚げされています。
トロール漁法の特徴である魚種の豊富さはそのまま全国からみた漁場「宇和海」の特徴でもあります。
おがた蒲鉾の原料はこの水揚げされた魚で作られます。
八幡浜魚市場
魚市場の朝は早く、水揚げされた魚は「てや!てや!」と威勢の良い”せり声”と共にせり落とされていきます。
てやてやと言うのは競り人の囃子言葉で、『買うてくれ、手を出せ』というような意味です。
魚のセリ風景
いかに新鮮な材料を仕入れるかは、せり子の目利きにかかっています。おがた蒲鉾では、鮮度は魚の目を見ることによって赤く濁っていなければ比較的新しいと判断します。
- 魚表面の艶はみずみずしく光っているように見えるのが新しいです。
魚表面の張り具合は少し手で触って弾力がある物は新しいです。
魚の傷(皮の剥げ具合が激しいものは、肉質低下につながります。)
魚のお腹を見て黄色く変色していないもの(変色しているものはお腹のエサから腐敗が進んでいることから鮮度は落ちます。)トロ箱に魚の入り具合…市場に並べられているトロ箱に入っている魚の大きさは一定ではありません。したがって目で見て重さを判断しながら買い付けを行います。 - どの船が水揚げしたのかによってとれた場所、業者の扱い方の違いが分かるので常に市場に出て状況を把握していなければなりません。
- 氷の入れ方…氷の入れ方によって鮮度保持の状況もわかるので見る必要があります。
おがた蒲鉾の目利きでは、このように状況を総合的に判断して買付を行っています。
毎朝一番先に魚市場に行って船から降ろす状況を見ながらどの魚をどれくらいの量をどれくらいの金額で買い付けていくか毎日の体験によって目利きは決まります。
かまぼこの主原料
【えそ】
八幡浜魚市場で水揚げされるえそは、底引き網(トロール船)によってとったものです。白身で大変美味しい魚です。
えそは、肉質は白身で質も良く美味ですが、硬い小骨が多いため、三枚におろしてもそのままでは小骨だらけで食べられず、また骨切りしても小骨自体が太くて硬いためハモのように美味しく頂くこともできません。調理方法としては、骨切りした上ですり身にして揚げ物にするか、手間が掛かっても根気よく骨抜きをして調理するかですが、いずれにしても一般的な調理をして食卓に並ぶようなお魚ではありません。
一方、魚肉練り製品の原料としては、癖の無い淡泊な味で歯ごたえも良いため、最高級品として重宝され、市場では関連業者が、ほとんど買取ります。
えそは、愛媛県の蒲鉾にはなくてはならない魚です。
おがた蒲鉾では、主に御蒲鉾、手巻きあげ巻、伊予の香などに使用されております。
【ぐち】
瀬戸内海、豊後水道あたりで水揚げされます。蒲鉾に必要な弾力をもつ魚で、身は軟らかく淡白で弾力の強いかまぼこを製造することができるため、古くから重要なすり身の原料として利用されています。
おがた蒲鉾では、主に御蒲鉾、手巻きあげ巻、伊予の香などに使用されております。
じゃこ天の主原料
【ホタルじゃこ(はらんぼ)】
はらんぼは宇和海に生息する「ほたるじゃこ(標準和名)」と呼ばれるスズキ科の小さなお魚の愛媛県南予地方の呼称です。
お刺身など生で食べても美味しいのですが、体長約10cmの小さな魚なのですり潰して練り身(じゃこ天)にするのが一般的な食べ方です。
頭と内臓を取り除いた後骨や皮ごとすり身にされ、じゃこ天の材料になります。
小魚の旨みのある、おがたのじゃこ天の原点といえるお魚です。
おがた蒲鉾では、主にじゃこ天、じゃこちくわなどに使用されております。
【ひめじ】
市場にはあまり流通しませんが、主に底引き網で漁獲されます。身は脂肪の少ない白身で、旬は冬とされています。唐揚げ・南蛮漬け、塩焼き、煮付けなどで食べられます。
また、高級な魚肉練り製品の原料としても使用されます。
特徴としては体がやや長い、近海の砂泥底に生息する魚です。また、味が良いことからじゃこ天の材料として使われています。
おがた蒲鉾では、主にじゃこ天、じゃこちくわなどに使用されております。
【たちうお】
その外観が太刀に似ていることより、太刀魚(タチウオ)と名づけられたとする説があります。また通常深さ約100mの泥底に群生し、朝夕の薄暗い頃に表層に浮き上がり餌を狙って立ち泳ぎをし、頭上を通り過ぎる獲物に飛び掛って捕食します。このため立ち泳ぎすることより、立魚(タチウオ)と名付けられた説もあります。
身は柔らかく、塩焼きや煮付け、唐揚げなどで美味です。
おがた蒲鉾では、主にじゃこ天、じゃこちくわなどに使用されております。